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寝台急行「銀河」、今月14日で姿消す [小さなニュース]

 寝台特急「あかつき」と「はな」も、15日のダイヤ改正で姿を消します。ブルートレインが相次いで姿を消すのは寂しいですね。

寝台急行「銀河」、14日に幕 東京―大阪結び60年

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今月14日で廃止される寝台急行「銀河」。東京駅のホームに
は、別れを惜しむ多くの鉄道ファンらがつめかけている=4日
午後11時


 約60年間にわたり朝一番から活動するビジネスマンたちを乗せ、深夜の東京―大阪間を駆け抜けた寝台急行「銀河」が14日、姿を消す。この日の乗車予約は受け付け開始から30秒で完売する人気だったが、ここ数年は閑古鳥が鳴いていた。乗客や、運行に携わったJRマンは深夜の2大都市間に架かった「天の川」の廃止を惜しむ。

 2月24日、日曜日の夜10時23分。JR東京駅10番ホームに、青い車体が滑り込んだ。カメラを手にした鉄道ファンが群がる。「銀河」の文字に天の川をあしらったような最後尾のテールマークを狙い、カメラの放列ができる。
 スーツ姿のビジネスマンもいた。東京都中野区の上野一郎さん(42)は翌朝の大阪での会議のために乗り込むところだった。月に2回ほど大阪に出張するが、いつもは新幹線。「廃止と聞いて、記念に乗ってみたくて」

 小学生のころから鉄道ファン。銀河はあこがれの列車だったが、乗ったことはなかった。今では始発の新幹線に乗れば、午前8時半には大阪に着く。しかも指定席でも1万4000円ほど。だが、銀河は一番安いB寝台でも約1万6000円。割高感も敬遠する理由だった。 (朝日新聞)


 「もっと乗ってやればよかった。すごく揺れるB寝台ってこともあるけど、ドキドキして眠れないかも」。上野さんはそう言って、青い車体にカメラを向けた。

 午後11時すぎ、銀河がそろりと動き出す。85年から200回以上乗務したJR西日本の車掌瀧山彰さん(56)は「最近はファンの方が圧倒的ですが、やはりビジネスマンのお客様が多かったですね」と話す。

 ほかにもいろいろな乗客がいた。どういう理由なのか、大阪から毎日乗ってきた女性。気分を悪くしてトイレから飛び出してきた無賃乗車の客。おねしょして泣いている子ども……。様々な人間模様を目にした。

 乗客は減る一方だった。新幹線や深夜バスが便利になり、格安ホテルも増えた。銀河はA寝台の揺れが少ない下段ベッドだと2万円超。新幹線に乗って前日から1泊出張するのとほとんど変わらない。最近の乗車率は、20年前の4割ほどにまで落ち込んでいた。

 「時代の流れで廃止されるのは仕方ない。でも、その前に大勢のお客様に乗っていただければ……」。瀧山さんの最終乗務は8日の東京発だ。

 午前7時18分、大阪駅着。その後、銀河は新大阪駅近くにある車両基地で疲れを癒やす。検修(けんしゅう)担当の徳田一彦さん(44)は「古くて手がかかる車両。早く消えて欲しいと思ったこともあります。でも……」と寂しげにほほえむ。

 現在の客車は70年代に造られた。熱湯と水が別々に出る使い勝手の悪い洗面台、触れるとやけどをしそうな高熱を発する暖房器具。装備品は時代遅れのものばかり。部品も古く、メンテナンスが大変だった。

 昨年12月に廃止が発表されてから、車両の側面にある「行き先字幕」や、車内の「車両番号標」「号車番号標」が相次いで盗まれた。心ない行為に憤りつつ、徳田さんたちは紙製の代用品を作ってしのいでいる。

 「でもね、最後だけは正規の部品をかき集めて本来の姿に戻してやろうと思うんです。それが銀河へのはなむけですわ」

     ◇

 〈寝台急行「銀河」〉 1949(昭和24)年、東京―大阪間の夜行急行として誕生。68年に寝台急行となった。現在は東京を午後11時、大阪を午後10時22分にたち、約8時間20分をかけて区間を結ぶ。個室はなく、すべて2段ベッド。近年の客車は通常6両編成だったが、昨年12月の廃止発表前からA寝台1両(定員28人)とB寝台7両(同234人)の計8両に増やした。食堂車や車内販売はない。
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