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リーマン・ブラザーズの破綻 [経済ニュース]

 アメリカで第4位の資産規模の証券会社リーマン・ブラザーズが連邦破産法の適用申請を行うことが伝えられています。 リーマンは今年3~5月期の決算ではじめて4千億の赤字を計上したことが発表されましたが、6~8月期でも更に赤字が膨らむことが、9月10日に明らかになり、経営危機がささやかれていました。 リーマンは、資産規模65兆円(野村証券の2.5倍)で、158年の伝統を誇る大企業でしたが、あっけない崩壊という結末になってしまいました。 サブプライムローン問題の破壊力のすさまじさに驚かされます。

 サブプライム処理は、これで峠を越えたわけではないようです。 アメリカ保険業界最大手のAIGは、資金ショートしていて、4兆5千億円のつなぎ資金が必要とも噂されています。保険業界や地方銀行などのサブプライム破綻処理は、これからということらしいです。 アメリカは、まだまだ先の見えない茨の道を歩むことになりそうです。

 リーマンの破綻を受けて、ニューヨーク証券市場では、500ドルの下落となりました。EU、アジア市場でも暴落しており、世界同時株安となっています。本日の東京市場でも、600円の暴落となってしまいました。 米国政府が、リーマンへの公的保証を拒否したことの意味は大きいのではないでしょうか? 金融不安が再熱する危険性を、市場は感じているようにも思われるのです。

 経済のことはよくわからないのですが、サブプライムローンの証券化商品というのは、簡単に言ったら、ローンの貸借証を定期預金証券のように証券化したものと言えるのでしょうか? それを市場で普通の証券のように流通できるようにしたものなのでしょう。アメリカの金融機関にとっては、貸借証が消えていくことになるのですから、どんどん低所得者層に貸し出しを増やして不良債権化の原因を作っていったのは当然の成り行きでした。

 さらに、不良債権化させる原因に、住宅バブルがありました。土地が右肩上がりに上がるのに比例して、(担保価値の上昇分で)ローン借り入れも増加させたのです。しかし、住宅バブルがはじける時が来てしまいました。上昇のスパイラルが、下降スパイラルへ、崩壊のスパイラルへ逆噴射を始めたのです。

 アメリカは、レーガン元大統領の時代に、双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)が問題になり、国家財政の危機とささやかれていたように記憶しております。その後、クリントン前大統領が、製造業ではなく、金融政策(まるで金融戦争のように)で復活させ、繁栄を謳歌してきたはずでした。しかし、それは、虚構の繁栄、砂上の楼閣であったのです。

 アメリカは、この未曾有の国家的危機を打開するために新たにどういう戦略を採ろうとするのでしょうか? 戦争を大々的に仕掛けることができるとは思えません。アメリカ市民は、厭戦気分が蔓延しているのではないでしょうか? 財政面からも無理でしょう。 これといった妙案はないのだと思います。とすると、これから世界的な大不況が訪れて、アメリカは、あらゆる方面で規模の縮小を迫られることになるような気がいたします。このような状況の招来は、アメリカの敗北といわねばなりませんが、可能性は大きいように思っています。

 日本は、このまま自民党の対米従属路線を進めては、行き詰まることは明らかであります。アメリカが良くなることはないのですから、日本はますますアメリカから負担を求められ、ますます搾り取られるだけになってしまうでしょう。 アメリカとの関係は、対等なものに変えていくことが必要です。日本のアイデンティティーを復活させ、独立自尊の道を模索することが求められているのだと思います。

 それを実現する第一歩が、政権交代することにあると思うのです。(修正ではなく)変革を達成するには、新たな担い手でなければ絶対に不可能だと思うからです。



リーマン・ブラザーズ破綻、破産法申請
2008年9月15日14時9分 asahi.com

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箱を持ってリーマン・ブラザーズ本社をあとにする人=AP

 【ニューヨーク=丸石伸一】米証券大手リーマン・ブラザーズは15日未明(日本時間同日午後)、連邦破産法11条の適用を申請すると発表し、実質的に破綻(はたん)した。米欧の金融機関との間で身売りや出資受け入れなどの交渉を続けたがまとまらず、自力再建を断念したものとみられる。

 リーマンは1850年創業で世界30カ国に拠点を持ち、従業員は計約2万9千人。今年3~5月期決算で上場以来初めての当期赤字に転落し、6~8月期決算でも2四半期連続の赤字になる見込みだと今月10日に発表していた。サブプライム関連の損失を計上してきたが、さらに損失が出る恐れのある不動産関連の資産を多く保有していたため、株価急落が続いていた。

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