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市場原理主義に代わるもの(植草さんのブログ紹介) [時事問題]

 小泉元首相は、バブル崩壊後のいきずまりに対して、改革をよそおった構造改革(実際は、アメリカ主導の新自由主義であったわけです)を進めました。今、小泉改革は、弱者に犠牲を強いて、富裕層や強者のための改革であったことが露呈し、弱者である国民は塗炭の苦しみを味わされております。

 麻生首相は、この小泉偽装構造改革を否定することなく、元の官僚支配政治に戻ろうとする動きが顕著であります。麻生政権は、官僚支配構造を温存したまま、(変わらず富裕層を優遇した)国民目くらましの政策を連発しているだけというのが実態のように思います。これでは、小泉改f革が、いつまでも総括されず、うやむやのままであります。

 植草さんのブログ『知られざる真実』では、「市場原理主義に代わるもの」と題する投稿で、小泉改革が進めた、「市場原理主義=新自由主義」の問題点を解説され、どう改めるべきかをわかりやすく示してくれています。小泉改革を総括するものと思われますので、後段の部分を引用させていただきます。

(以下、引用開始) 

 すべての問題は「分配」の問題に帰着できる。

 経済活動の結果得られる果実を誰にどのように「分配」するか。分配された所得の一部を税や社会保険料負担として政府が徴収する。これらを財源として政府支出が実行されるが、それを誰にどのように「再分配」するか。これが政治の課題である。

 「市場原理主義」は分配の方法決定を市場メカニズムに委ねる。「市場に委ねる」と言うと聞こえが良いが、市場では意思決定の権限を持つ者が優位に立つ。企業では経営者が強い立場に立つし、銀行融資ではお金を貸す側がお金を借りる側より強い立場に立つ。

 「市場原理主義」の下では、企業を支配する側=「資本」が「資本」に有利なルールを設定し、働く人々=「労働」に不利な状況、ルールが設定される。小泉政権は「資本の論理」だけを尊重して、「資本」の「労働」に対する横暴を全面的に後押ししてきた。これが「分配」における「市場原理主義」である。

 小泉政権の「市場原理主義」が吹き荒れたのは「所得分配」の側面だけではなかった。小泉政権は財政活動という「所得再分配」の側面においても「市場原理主義」を推進した。

 「資本」に対する課税である「法人税」を軽減して、「労働」=「一般国民」の税および社会保障負担を大幅に増大させた。また、政府支出においては、「労働」=「一般国民」に対する政府支出である「社会保障支出」や「教育支出」を歳出削減の標的に定めた。

 つまり、「市場原理主義」は「資本」を優遇して「労働」を虐(しいた)げる政策路線なのである。「市場原理主義」の暴走により、日本国憲法第25条が保障している生存権が根本から脅かされる状況が生まれた。

 若者が将来に夢を持つどころか、生活の基盤さえ奪われる状況を放置する政府を私たちは求めていない。政策の基本路線の転換が求められている。「市場原理主義」=「新自由主義」から「セーフティーネット重視」=「社会民主主義」への転換が求められている。

 麻生政権は多くの国民が生存権を脅かされている時代に、「法人税減税」、「相続税減税」、「証券課税軽減」、「高価格住宅取得減税」の方針を打ち出している。麻生政権は「市場原理主義」=「格差拡大奨励」の方針を変更する発想を有していない。

 「一般国民」=「労働者」の生活を重視する方向に政策の基本方向を転換するべきである。労働市場の政策においては、どのような労働法制を敷くのかが決定的に重要である。すべての労働者の安定した雇用を保証する制度の構築が求められている。

 正規雇用-非正規雇用の区分を撤廃することが求められる。米国の企業経営者の高額報酬が話題になるが、企業経営者の法外に高い報酬に合理的な根拠は存在しない。

 雇用、教育、医療の保証が政府の最大の役割である。高齢者、障害者、母子世帯、生活困窮世帯に対する、生存権を確実に保障する制度を確立すべきだ。

 100年に1度の経済危機を、日本社会を再生させる、日本の経済政策の基本路線を根本から転換する契機として活用すべきだ。抜本的な不況対策が求められているが、経済政策の基本路線を転換する大胆な政策を打ち出すことが求められている。

 政策路線を根本的に転換するためには本格的な政権交代が不可欠である。本格的な政権交代を実現し、一般国民の幸福を追求する政府を樹立しなければならない。所得分配についての諸制度の改革、所得再分配に関する財政政策方針を根本から転換することが急務である。

(引用終わり)

 予算を、国民のための予算に根本的に組み改めなければなりません。こういう経済的混乱の時は、真の改革を実現するチャンスといえるのかもしれません。それには政権交代が必要なのです。政権交代が、真の改革への第一歩なのだと思います。

   植草一秀の『知られざる真実』 市場原理主義に代わるもの 
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