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欲望という名の電車(植草さんのブログの紹介) [時事問題]

 今、経済的に大混乱しているのは、アメリカで欲望を暴走させた市場原理主義という怪物が、あばれまわり、人間は、物質至上主義に陥って、物欲に狂乱させられてしまったからではないでしょうか? その欲望は、巨大なバブルを創りあげ、そのバブルがついにはじけて、世界に甚大な被害を及ぼしているです。

 バブルがあまりにも巨大となったため、はじけ方もすさまじいものになっているのであり、そのスピードも考えられないような速さで進んでいるのだと思います。

 これらバブルは、借金で積みあがったものであり、真の実力の需要ではなかった、虚構の需要であったのです。今、借金の臨界点を突破して、需要が突然消えてしまった状態なのだと思います。その結果、残されたのは、貸付金の焦げ付き、不良債権の山また山になっているのです。

 これは、大きな価値観の転換を伴った変化のような気がいたします。物質至上主義は崩壊したのです。人間は、他のものに価値を見出さざるを得ないところに追い込まれていくのではないでしょうか?

 今回の世界大不況は、ある時期にきたら景気が元に戻るというような循環型の不況ではなく、元に戻ることはないように思われます。バブル前の需要まで戻らなければならないのです。大企業は、過剰生産分をそぎ落とさなければならなくなるでしょう。

 アメリカは、「極端な市場原理主義」「金融工学」などの詐術を使って、強者がより強者になるために、富裕者たちがやりたい放題のことをやったのだと思います。まさに、地球規模で「欲望という名の電車」であったのです。そして、自爆してしまったのでした。


 この悪意に満ちた「極端な市場原理主義」を、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏らは、「小泉構造改革」と称して、日本に持ち込んだのであります。これはアメリカ、ブッシュ政権の意向に沿うものでした。

 植草さんのブログ『知られざる真実』では、 「大政奉還」を決断すべき麻生首相と題した投稿で、未曾有の不況に突入して、小泉構造改革の反国民性があからさまになってきているとして、ふたたび小泉偽装構造改革を総括していますので、一部引用させていただきます。

(以下引用開始)

 『不況深刻化で問題が表面化しているのは、単なる景気循環上の問題ではない。小泉政権が推進した「市場原理主義」政策の歪(ひず)みが表れた現象なのである。

 小泉政権は「効率」、「成長」を重視して、「分配の公正」、「セーフティネット」を軽視した。その背景には、政治が「資本」と「国民=労働」のどちらの利益を重視するのかという問題が横たわっている。小泉政権の「改革」政策=「市場原理主義」政策は「資本」の利益を優先する政策路線なのだ。

 「大企業」=「資本」の利益を優先する立場に立てば、①労働者の賃金が低く、②労働者をいつでも解雇でき、③企業の社会保障負担が低く、④法人税負担が低く、⑤株主および経営者の所得が高い、ことが望ましい。

 小泉政権の「改革」政策路線は、「資本」の利益を優先する政策方針だった。労働市場の規制を撤廃した結果、非正規雇用労働者が激増し、非正規雇用労働者の雇用保障は消滅した。一生懸命に働いても年収が200万円に届かない低所得労働者が激増した。

 問題は不況の局面で顕在化(けんざいか)する。不況に直面して日本を代表する大企業が一方的な解雇=雇い止めを通告している。不安定な労働条件の下で労働してきた多数の非正規雇用労働者が寒空の年末の路頭に放り出される事態が全国で一斉に発生している。

 小泉政権は財務省の「財政再建原理主義」路線に沿って、「セーフティネット」の破壊(はかい)にいそしんできた。「高齢者」、「障害者」、「母子世帯」、「低所得者」、「非正規雇用労働者」に対する冷酷な政策が激しい勢いで推進されてきた。社会保障関係支出を年間2200億円切り込むなどの非人道的な政策が大手を振ってまかり通ってきたのだ。

 一方で、財務省の天下り利権は完全に温存されてきた。最も分かりやすい事例として、私は日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫のいわゆる「財務省天下り御三家」への天下りが廃止されるかを注視し続けてきた。2005年から2006年にかけて、小泉政権が政権末期にこの問題を提示したので、「天下り」問題に対する最後の意思表示の機会として注目したが、結局、小泉政権は「天下り」を完全に温存する選択を示した。

 中川秀直氏、竹中平蔵氏などが官僚利権根絶と主張しても、まったく信用できないのはこのためだ。彼らは小泉政権の中枢に存在しながら、「天下り」根絶をまったく推進しなかった。小泉政権の「市場原理主義」は「国民の利益」ではなく、「官僚の利益」実現を目指す政策路線でもある』


 『サブプライム金融危機は市場原理に全幅の信頼を置き、金融市場での金融機関の活動を「自由放任」した結果として生じた「人災」である。金融機関の行動を「自由放任」する政策スタンスが「市場原理主義」と批判されているのだ。 

 小泉政権以来の「市場原理主義」経済政策は
  ①「弱肉強食奨励」=「大企業の利益」
  ②「官僚利権死守」=「特権官僚の利益」
  ③「対米隷属外交」=「外国(資本)の利益」
 を追求する政策路線である。麻生政権もこの政策路線を基本的に踏襲(とうしゅう)している。


 いま求められている政策路線の転換は、
  ①「セーフティネット強化」=「国民の利益」
  ②「官僚利権根絶」=「国民の利益」
  ③「自主独立外交」=「国民の利益」
 を政策路線の基本に据えることだ。


 「市場原理主義」の経済政策においては、「大資本」、「特権官僚」、「外国資本」の利益追求を「政治屋」と「マスメディア」が結託して推進した。これを私は「政官業外電=悪徳ペンタゴン」による「利権互助会の利益追求政治」と表現している。

 「市場原理主義」を排して、「人間尊重主義」に基づく経済政策路線を基本に据えなければならない。セーフティネットを強化し、官僚利権を根絶し、自主独立外交を展開しなければならない。麻生首相が首相の座に1日でも長く居座るために、理念も哲学もなく政策手段を濫用することは、主権者である国民には、はなはだ迷惑なことだ。

 政治は首相の私物ではない。国民の支持を完全に失っている首相は政治を私物化せずに、一刻も早く政治権力を主権者である国民に返還するべきである。「大政奉還」されれば国民は直ちに総選挙を実施して、危機に対応する本格政府を樹立することになる』

(以上引用終わり)

 東京新聞は、『大量の人員削減を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社で、利益から配当金などを引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末の17兆円から倍増し空前の約33兆6000億円に達したことが23日、共同通信社の集計で明らかになった。この間に米国の金融資本主義が広がり「株主重視」の経営を求める風潮が日本でも強まった。増配や自社株買いなどで市場での評価を高める経営手法がもてはやされた』と報道しています。

 労働者や下請け企業から搾取し、株主は配当を増やし、役員の報酬を増やして後はせっせと内部留保に励んでいたことが数字で裏付けられました。派遣切りに走る経営者は、弱い者をいじめて、我よしの精神、公より私を優先する精神に毒されてしまった人たちであるといえるのだと思います。

 小泉構造改革を総括し、偏った「市場原理主義」を否定しない限り、自分さえ良ければそれでいいといった精神の退廃を克服し、弱者に目配りする社会を構築することはできないのだと思います。それほど、小泉構造改革の破壊力はすさまじいものであったということなのだと思います。

   植草一秀の『知られざる真実』 「大政奉還」を決断すべき麻生首相
   
   東京新聞 「大手製造業、株主重視で人員削減 内部留保、空前の33兆円」の記事
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an

はじめまして。
安と申します。

突然失礼いたします。

犯罪組織は、世界どこの国でもあります。
しかし、
世界どこの国でもある犯罪組織とは違って、
一部の政治家、裁判官、警官、全国役所の一部役人、医師、先生、
PTAの一部役員、町会の一部役員、市民団体を始め各種団体の人、
芸能人、システムエンジニア、実業家、ヤクザなどが組織のメンバーになって、
ITという最先端技術を使い、
裏で日本の社会を支配している組織が日本にいるとしたら信じますか?

この組織の掲示板には「世界征服」「助成金」などが書いてあり、
私がアクセスした直後になくなりました。

詳細なことは、
お手数をかけて申し訳ございませんが、
http://blog.yahoo.co.jp/ansund59 をご覧ください。

偽警官が警察署を自由に出入りし、偽裁判官が裁判所で法の悪用をし判決をし、
裁判記録の改ざんもあり(最高裁判所まで)

P.S.
記事と関係ないコメントで申し訳ございません。
他の方にも知らせたくて、
ご迷惑かけてます。
ご配慮・ご理解よろしくお願いいたします。

by an (2008-12-24 12:50) 

yamagatn

たしかにその通りと思います
経済至上主義に躍らされた結果だと思います
by yamagatn (2008-12-25 07:58) 

ofil425

yamagatn さんコメントありがとうございます。
そうですね。来年は大変なことになりそうです。
by ofil425 (2008-12-25 17:58) 

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