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知症の妻へ、夫が写真集「愛・燦々」自費刊行 [小さなニュース]

 『認知症 と診断され10年になる妻の1年間を、会社経営者で写真家の里村良一さん(78)=岐阜県神戸町丈六道(じょう・ろく・どう)=が写真集に収め自費刊行した。』というニュースが朝日新聞の地域情報岐阜版に載っていました。写真集の名は「愛・燦々(さん・さん)」。5千部を刷り、非売品だが、介護中の人たちに役立てばと全国の「家族の会」などに贈っているのだという。

 妻の能子さん(77)とは53年に結婚して以来、二人で苦労を共にしながら、3人の子を育て、家業の薬局を「漬物の素」などを生産販売する社員約100人の会社にまで育てあげたのでした。里村さんは、現在は会長を勤められています。

 98年10月、妻の能子さんは、アルツハイマー性痴呆(ち・ほう)症の診断を受けてしまいます。「中度の下。重度に移行する可能性も」と診断された症状は、しだいに進み、聞くに堪えない暴言を吐いたり、夫を自分の亡父と混同したりするようにまでなってしまいました。

 そんなか06年4月未明に、施設に入所していた能子さんが、重度の認知症の症状を示す「事件(詳しくは下記記事にて)」を起こしてしまうのです。この事件がきっかけになって、写真を撮り始めるのですが、その時の心境を、写真集の前書きのなかで、『彼女の写真を一年間撮り続けよう。写真を撮ることによって、彼女と少しでも多くの意志の疎通ができるかも知れない。また、私自身の生きる力の源泉になるかも知れない』と綴られています。

 それ以来、里村さんは、カメラを手に足しげく妻のもとに通うことになります。写真は、グループホームでの日々の生活、豆まきやクリスマス、介護スタッフとの交わり、自宅に戻った時、などの妻の姿を、いとおしさを込めた目でとらえているのです。感動的な写真集は、80ページに及びます。社団法人「認知症の人と家族の会」代表理事の高見國生さんは、一文を寄せています。「周りの愛と支えがあれば人として豊かに生きることができるのだ、と教えられる」と。

 表題にあるように、里村さんは、一年間、深い愛情を注いで、コミュニケーションをとりながらカメラのシャッターを押し続けたのだと思います。一枚、一枚の写真にいとおしさをこめて。その愛こそが人々を感動させる写真集にしているのでしょう。まさに、写真集の表題の『愛燦燦』であります。

認知症の妻へ 「愛・燦々」 自費刊行

認知症 と診断され10年になる妻の1年間を、会社経営者で写真家の里村良一さん(78)=神戸町丈六道(じょう・ろく・どう)=が写真集に収め自費刊行した。妻にカメラを向けたのは、グループホームで起きた「事件」がきっかけだった。写真集「愛・燦々(さん・さん)」は5千部刷り、非売品だが、介護中の人たちに役立てばと全国の「家族の会」などに贈っている。(朝日新聞)

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