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拉致問題を考える [ニュース]

 米国による北朝鮮のテロ支援国家指定が解除されることになりました。指定解除を拉致問題とリンクさせようとしてきた日本政府は、貴重な交渉カードを失い、打つ手がなくなったということなのでしょう。これは、拉致問題に関する日本外交の敗北と言えるのではないでしょうか?

 拉致問題の経緯を振り返って見ますと、小泉訪朝以後全然進展がなかったことが分かります。ということは、拉致問題は小泉訪朝がすべてのすべてであり、交渉は終わってしまっていたのではないでしょうか? 未解決の拉致問題は、小泉訪朝交渉の不始末とも言えるのかもしれません。とすれば、小泉元首相の訪朝とは、何だったのか検証する必要があるように思います。

 小泉元首相は、訪朝するに際して、どのような交渉戦略を描いていたのでしょうか? まず、日本政府は、訪朝前に、北朝鮮に拉致された人たちに関する情報をどのくらいつかんでいたのかが問題ですが、拉致被害者を何人か返してくれそうだという程度の情報しかなかったような感じがします。小泉元首相は、そういう不確かな情報しかないにもかかわらず、拉致問題は何とかなるだろうという楽観的な見通しのもとで、北朝鮮国交正常化へ踏み出そうとしたのだと思います。

 小泉元首相は、訪朝する前の交渉で、拉致被害者の正確な情報を入手して、訪朝時に何を交渉するかはっきりさせた上で訪朝すべきでありました。確かな情報もなしに訪朝した小泉元首相は、北朝鮮から説明を聞くばかりで、はいそうですかと帰ってきてしまいました。帰国した五人の拉致被害者は、北朝鮮に返す約束をするという失態も演じています。拉致被害者家族の飯塚さんが、説明に来た小泉元首相に、「子どもの使いと同じだ」と言ったと伝えられていますが、結果的に見ると反論できないと思います。

 小泉元首相は、拉致問題での訪朝を人気取りに利用しようという下心があったのではないでしょうか? その欲心が、あいまいな情報にもかかわらず、ずさんな訪朝を決断させた一因になったのだと思います。日本の首相たる者は、私利私欲からではなく、無心で判断する必要があるように思います。

 いずれにしても、残された拉致被害者は、未解決の問題として政治のはざまで翻弄され続けてきました。拉致被害者の家族の方々のご苦労を思うと、言葉もありません。 一日も早い解決を祈りたいと思います。 日本政府には、拉致問題を完全解決する責務があるのです。
 

  毎日新聞記事; テロ指定解除:日本、交渉カード失う 米とのずれ浮き彫り
  http://kijihozon.blog.so-net.ne.jp/2008-10-13
 
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