SSブログ

自民もダメ、民主もダメ論と植草さんのブログ [時事問題]

 いまや、ほとんどの人たちが、自民党は国民のことより、自民党、議員自身の生き残りを最優先して、解散から逃げまくっているのを見抜いているのではないかと思います。

 細田幹事長を始め、自民党の幹部連中は、負戦さはしないことを決めたようです。これから、9月の衆議院議員の任期切れまで、国民の目をくらましたり、あざむいたりすることに必死になるのでしょう。

 思い起こせば安倍元首相は、参議院選挙で、5000万件の宙に浮いた年金は年度末までに処理し、1円までお支払いしますと連呼しましたが、後になって、名寄せだけの努力目標だといったり、選挙の時は話を端折って言ってしまうなどといって、公約を空手形にしております。自民党は、嘘八百を平気で並べることのできる人たちであることを忘れてはなりません。

 これから、伊吹氏がいみじくも言ったように、自民党による国民への目くらまし、偽りの公約が語られるのでしょう? 日本の国民は、お人好しですから、多くの人たちが懐柔されるかもしれません。政権交代は、言われるほど容易ではないと覚悟しなければなりません。

 それにもかかわらず、自民党もダメだが、民主党も政局優先で、ねじれ国会でダメだとか、民主党になっても政策的に変わらないから、政権交代にたいした意味はないのではないかとか、小沢氏の国連中心主義では、すぐに自衛隊を出し戦争を始めるのではないかなど、まだ民主党が政権をとっていない前から、民主党を自民党レベルにおとしめて批判する言説が目立ちますが、早計というものです。

 10月28日の党首討論においても、2次補正を出す出さない、解散の話ばかりでレベルが低いという批判が多くありましたが、討論というのは相手のある話であり、相手のレベルが低ければ、どうしてもレベルが低くなってしまうのは仕方のないことではないでしょうか? これでもって両方とも悪いとするのは、自公政権を利する側に立つ者の論理といわねばなりません。

 たとえば、毎日新聞の風知草に山田孝男専門編集委員が「しーんとさせる力」と題して述べているなかで、党首討論における野次の多さを嘆いて、

 【小沢は「日本改造計画」(93年、講談社)で、学ぶべき政治家の筆頭に大久保を挙げた。この本を書いたころの小沢は革命児のオーラを放ち、周囲をシーンとさせる力があった。今も革命家のおもかげを残すが、陰謀家と見下される面もあり、その分、ヤジが増えた。

 麻生は大久保の孫(吉田茂の夫人・雪子)の孫だが、失策と失言が重なり、周囲はシーンとするどころか、騒然としている。政治家は言葉が大事というが、言葉の裏に威信がなければ何事も動かない。現首相と明日の首相の威信の不足が政界の漂流に表れている。(敬称略)】

 と述べていますが、小沢代表を明日の首相にして、政権交代を規定路線のごとく設定して、麻生首相と小沢代表を同列にして、双方を批判しているといった具合です。

 また、自民党の小池百合子議員は、スポニチの紙面で、「解散よりも、文明転換の議論をすべき」と述べて、党首討論が解散問題に終始したレベルの低さを批判していますが、麻生首相ダメ、小沢代表ダメ論の方にもっていっているのです。

 これらは、低レベルの自己保身の逃げに走っている麻生自公政権と小沢民主党を同列に扱うことによって、自民党もダメだが、民主党もダメ論に持ち込もうとする、巧妙なレトリックが仕掛けられているのです。(国民が、自民もダメだ、民主もダメだとあきらめてしまうことを狙っているのです)

 こうした目くらまし、だましに負けないためには、なぜ政権交代が必要なのか、原点に回帰して考えることが重要なのだと思います。この原点回帰を忘れないためには、植草さんのブログ『知られざる真実』を読み続けることが効果的だと思います。植草さんのブログでは、必要と思われる時点で原点回帰しますし、政権交代を最優先にしてぶれることがないからです。

 11月30日では、「評価できる麻生首相の分かりやすさ」という題して、麻生首相は、(根が正直で腹黒ではないと)率直な発言を皮肉をこめて、評価されていますが、政権交代の意義の原点を意識させてくれるからということだと思います。そして、原点に回帰されて次のように述べられています。

(以下一部引用させていただきます)

 【 国民は政治の主権者だが、総選挙で誤った判断を下してしまうと、最長4年間、悪政に苦しむことになる。2005年9月の劇場型郵政民営化選挙で自民党に多数の議席を与えてしまったために、日本社会は根底から改悪されてしまった。自民党の首相が無責任に政権を何度も放り出しても、低次元の発想しかできない首相が国民の幸福実現を目指さずに首相の地位に居座ることだけに執着しても、国民にはなす術(すべ)がない。

 こうした深刻な経験を踏まえて、次期総選挙では誤りのない選択を示さなければならない。政権を選択する基準は政策であり、基本政策に三つの対立軸がある。以下に示す対立軸を改めて確認する必要がある。

  ①弱肉強食奨励VSセーフティーネット重視
  ②官僚利権死守VS官僚利権根絶
  ③対米隷属外交VS自主独立外交

 このことは以下のように置き換えることができる。
  ①は「大資本の利益VS国民の利益」
  ②は「官僚の利益VS国民の利益」
  ③は「外国(資本)の利益VS国民の利益」 】

 そして、最後のところでは、

 【 麻生首相の政治姿勢の最大の問題は、「国民の利益」を重視していないことだ。「国民の利益」=「公」ではなく、「私」の利益が優先されている。不況が深刻化し、追加景気対策が論議されると、国民は目先の景気対策に惑わされて本質を見失いがちになるが、総選挙で正しい判断を示さないと、また苦しみの4年間を迎えてしまうことになる。

 麻生首相を評価できるのは、麻生首相が国民の利益を重視していないことを、言葉の端々に分かりやすく表している点だ。国民の利益をまったく考えていないのに、国民の利益を優先しているかのような言葉の偽装を巧みに演じる過去の首相の方がたちが悪い。麻生首相が今後も、「公よりも私」の基本姿勢を率直に表出し続けてくれれば、次期総選挙で国民が再び判断を誤ることを防止できる。

 政権交代を実現しなければ日本の世直しは進まない。国民は総選挙まで気を緩めずに対応し続けなければならない。 】(引用終わり)

 と結ばれています。自民もダメ、民主もダメ論に負けないためには、なぜ政権交代が必要なのかの原点を忘れないようにしなければなりません。国民の利益を最優先させる政治、独立自尊外交の政治を実現させるためには、まず政権交代を実現することが必要なのだと思います。日本再生は、政権交代なくしては何も始まらないのです。 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。