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非正規社員二千人が抗議の決起集会 [社会問題]

 12月4日夜、二千人の非正規雇用労働者や労働組合関係者が東京日比谷野外音楽堂に集結し、抗議の声をあげました。「派遣社員はモノじゃない」と会場の雰囲気は、怒りと不安に満ちていたと朝日新聞は伝えています。
 
 「僕たちにも2009年を迎えさせてください」「寮から出さないでください」「どうかホームレスにしないでください」という壇上にのぼった派遣社員の叫びが、会場に響き渡りました。「厳冬のなか、数十万人が放り出されようとしている」。日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士も訴えた。

 12月1日夜、麻生首相は、官邸に御手洗冨士夫キャノン経団連会長ら財界首脳を呼び、非正規雇用の維持を要請しましたが、4日には、キャノンが年内に1100人の派遣切りを行うことが明らかになりました。御手洗氏は、1日の会談の後のインタビューでも誠意ある態度には見えませんでしたから、総理など眼中にないのでしょう? 鉄面皮の御手洗キャノン会長は、派遣社員をモノ扱いして、冷酷に企業論理を優先させたのです。
  
 今の大企業の経営者は、麻生首相が要請したぐらいで派遣切りが止まるような倫理観のある人たちはいないでしょう。とにかく、一刻も早く手を打たないと大変なことになる深刻な状況なのだと思います。

 日比谷の集会にも参加した、派遣労働問題に真剣に取り組んでいる共産党の志位委員長は、麻生首相と会談し、派遣切りの即刻中止させるよう申し入れました。『派遣切りは、雇用のルール違反であり、即刻やめさせなければならない。要請するだけではキャノンの例でわかるように効果がないので、政府による強い指導監督が必要であること。事態は、思っている以上に深刻である』と訴えました。

 派遣労働者を、製品の部品のようにモノ扱いして、受注が落ちたからといってすぐに放り出すことは許されることではありません。労働者の人権無視であり、企業の社会的責任の放棄であります。企業人の倫理観は、地に落ちてしまいました。派遣労働制度を企業の要請に応じて無責任に拡大した政治の問題でもありますので、政府が問題解決の先頭に立つ責任があるといわねばなりません。

 今回のサブプライム問題に端を発した世界大不況は、まだ山を越したとはいえないのだと思います。金融問題も解決できていませんし、実体経済への波及はまだこれからなのではないでしょうか? だとすれば、ワーキングプワーがさらに悪化して、ただのプワーになって、貧困層がさらに拡大するように思います。これからは、いよいよ「競争から共生へ」の価値観の転換なしにはどうにもならない時代になっていくような気がいたします。

 you tube動画
 12/5 「雇用・中小企業守る緊急対策を」志位委員長、麻生首相と会談
 12/4 「派遣法の抜本改正をめざす12・4集会」志位委員長があいさつ

 朝日新聞 『「派遣切るな」2千人 怒りと不安、東京・日比谷』の記事全文

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