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ムダを省かない財政再建はまやかしです [時事問題]

〇宣言なき政策転換を批判する東京新聞の記事

 東京新聞は、「首相、『財政』から『景気』へ 宣言なき政策転換 政権の命取りにも」と題する記事で、『景気の悪化を受け、財政再建路線を棚上げし、積極財政へ事実上、転換した麻生太郎首相。しかし、首相自身はこれを決して認めようとしない。財政か景気かの議論は歴代政権を悩ませ続け、橋本政権では命取りになった。国民に十分な説明のないまま、政策転換を図る麻生首相は橋本政権と同じ道をたどりかねない。 (吉田昌平)

 首相の方針は、歳出削減枠は守りながら、別枠で社会保障や公共事業を上積みするやり方。首相は「景気対策と財政再建は、別に両立しないわけでも何でもありませんから」と自信を示す。』 と述べています。

〇小泉構造改革温存のまやかし

 麻生首相は、財政再建路線(小泉構造改革)を否定せず、積極財政路線への転換を、国民に説明のないまま進めようとしているように見えます。麻生首相には、短慮の独断専行の傾向がありますから、国民に説明なしで進めることに怖さを感じてしまいます。

 実際、麻生首相は、何をやっているのか、何をやろうとしているのか、国民にはさっぱりわからなくなっているのではないでしょうか? 積極財政に転換したように見えますが、財政再建路線を捨てないで(小泉構造改革のレールに乗ったまま)別枠で積極財政的なことをやろうというのですからわかりにくいのは当然です。これで景気が回復すれば、また小泉構造改革路線に戻ってしまうのでしょうか? さらに、これまでにかかった景気対策費用を、消費税アップという形で、国民に負担をかけようとするのは目に見えているように思われます。

 麻生首相は、自身の言う「100年に一度の経済恐慌」に対処するのに、別枠の上積みという、いわば対症療法で乗り切れると思っているようですが、とても無理だと思います。根本的な改革が必要になってくると思われます。それには、国民に信任のない政権ではできません。総選挙をやって、国民の信任を受けた政権をつくる必要があります。

〇官僚利権などのムダの排除のない、最初に財政再建ありきはまやかしだ

 最初に財政再建ありきは、まやかしなのだということがはっきり理解できるようになってきました。これは小泉構造改革がまやかしであったということでもありますが。正しくは、官僚の(天下り)利権などのムダをなくすこと先にありきでなければなりませんでした。特別会計の220兆円には、ムダが多いようです。 民主党は、1割22兆円削れるといっています。埋蔵金は、隠し金といっても良いのでしょうか? 伏魔殿のようでよくわかりませんが、税金が余っているように見えます。特別会計は、官僚の力の源泉なのでしょう。

 このムダを削らないと、『底に穴のあいたタライに、水をいっぱいにしようと一生懸命になっている』のと同じことになってしまうのです。普通は、タライの穴をふさいでから水を入れます。これ常識ですよね! でも、自民党の政治家さんたちには、通じないのです。穴をそのままにして、水が足らない、水が足らないと言っているのです。国民は、消費税増税だと言われたら、タライの穴をふさげ、ムダを省けと言い返してやればよいのです。だまされないようにしましょう!

 植草さんが、小泉構造改革の5年半で官僚利権に手をつけなかったと強調されるのも、小泉構造改革が財政再建ありきであり、タライの穴をふさごうとしなかった偽りの改革であったことを見抜いてのものあったのです。さらに、小泉構造改革は、削ってはいけないセイフティーネットなど削って、タライを小さくしてしまったのでした。こんなことをするくらいなら、消費税の増税を国民に問うべきでした! ところが、小泉純一郎氏は「わたしの在任中は消費税は上げない」などとサボタージュをしてしまったのです。

〇対症療法の景気対策では乗り切れない

 麻生首相の別枠での上積みによる経済対策というのは、「あーそう、いいじゃないか!」で決まる、その場の思いつき景気対策ばかりであり、対症療法に過ぎないのです。

 「100年に一度の経済恐慌に対処するためには、「政官財電外(支配層)=悪徳のペンタゴン(五角形)」の既得権益に切り込んで、ムダを徹底的に排除して、予算を根本から組み直す、本物の改革でなくては乗り切れないと思います。麻生政自公政権では、自らが悪徳のペンタゴンの一角であるので残念ながらできないのです。

 麻生首相は、「逃げない」といったのですから、いつまでも、けじめのないことをダラダラ続けていないで、解散して国民に信を問うべきであります。

 東京新聞 「首相、『財政』から『景気』へ 宣言なき政策転換 政権の命取りにも」の記事全文

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