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09年度政府予算の財務省原案に思うこと [時事問題]

 09年度政府予算の財務省原案が示されました。予算総額88兆5500億円で08年度を5.5兆円も上回り当初ベースで過去最大に膨らんだ予算となりました。麻生政権が、選挙を意識して、旧態依然の公共事業や地方へのばらまきを復活させ、実質的には積極財政路線に転換した内容となっているようです。

 麻生首相は、小泉改革の緊縮財政路線を否定せず、別枠で積極財政的な手当てをする、両立はできないことはないというような内容のことを述べておられました。 朝日新聞は、「選挙の年の予算―危機克服の戦略を競え」と題した社説で、二兎を追うものは一兎も得ずにならないか危惧して、次のように述べています。

 『財政規律を守ったふりをしながら、ちまちまと財政出動を盛り込んだ結果、どれだけが一時的な緊急対策なのか見えにくくなった。これでは景気回復後に元へ戻すべき歳出規模が不透明になり、はたして規律を取り戻せるか、強い懸念が残る。

 一時的に財政路線を転換するのならそれを明確にし、集中的に予算を投入する優先分野を決め、国民の納得を得なくてはならない。そうでないとばらまきの寄せ集めに終わってしまう』

 福田内閣は、道路特定財源の一般財源化を閣議決定したのでしたが、道路族に押し切られ、大半が従来どおりの道路建設に向けられることになりました。それどころか、不況対策の予備費や地方交付税の増額各1兆円の中に、別口の公共事業が潜り込む可能性が高く 、焼け太りにになってしまうかもしれないのです。

 支出の無駄排除についても、随意契約が多く、補助金への切り込みはできず、族議員や官僚の利権の排除はまったく進んでいないのです。

 財源は、埋蔵金でまかなわれるようです。定額給付金の財源の一部も埋蔵金が充当されるとか? いったいいくら埋蔵金があるのか「へそくり」の多さにあきれると社説で言っていましたが、一般会計に繰り入れて、いくらあるのか明らかにした上でないと、消費税論議など論外であります。

 社説では、『予算をこうして眺めると、そもそも選挙の顔として期待された政権が、予想外の経済危機に直面し、旧来型の発想で支持基盤へばらまく予算をかき集めた、といわざるを得ない』と述べて、自民党が小泉改革以前に逆戻りしていることを指摘しています。

 自民党は、旧来の族議員による利権政治を排除するために、小泉偽装改革を始めたのではないでしょうか? それを、小泉改革が失政であったからといって、旧来のバラマキ政治に戻すとは、自民党は一体どうしてしまったのでしょうか?

 これは、自民党では、もう改革できないということを証明するものと言わざるを得ません。いまや自民党は、国民をごまかして生き延びるしかない反国民的政党になってしまったということでもあります。「解散は絶対にしない」「党を批判する者には刺客がいくだろう」というような言動が聞こえてきますが、国民の目線を忘れ去って、権力維持に翻弄された政治家の醜態をさらしているように思います。

 今回の世界的経済の大混乱は、元に戻ることのない新しい世界への変化である可能性が高いのではないでしょうか? こうした、時局には、政治は将来の展望を語り、新しい理念に基づいた政策を実行していかなければならないものと思います。それは、分かち合いを基本にした共生社会をベースにするものでなければならないような気がします。

 しかし、自公政権が、繰り出すであろう(伊吹前幹事長がいみじくも言った)目くらましや(定額給付金などの)まき餌に惑わされずに、国民が自分たちの手に政治を取り戻すことができなければ話になりません。自公与党の政治家は、自分たちは釣り人で、国民は簡単に餌に食いつく魚だと見下しているのです。我々国民は、一寸の虫にも五分の魂の精神で、自公与党の政治家を見返してやろうではありませんか?

   ラジオ川柳の特選  定額給付金、もらうけれども入れないよ!

   朝日新聞社説 「選挙の年の予算―危機克服の戦略を競え」

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