SSブログ

オバマ大統領での日米関係を予測する [国際ニュース]


 1月20日大統領就任式が行われ、オバマ氏が、第44代大統領に就任しました。ホワイトハウスには200万人の人々が集まって祝賀ムード一色になったようです。

 民主党のオバマ大統領になって、日米関係はどうなるのでしょうか? 気になるところですが、日本政府は米国の「ハート」を中国に奪われはしないかと、不安があるようです。毎日新聞の記者の目というコラムに、笠原敏彦という記者が『日本は「オバマ・ショック」に備えよ』と題して、オバマ大統領での日米関係を予測しています。

 笠原記者は、『大胆に予測するなら、その懸念は的中し、日本外交は緩やかな「オバマ・ショック」に見舞われ、歴史的には日米同盟の分水嶺(ぶんすいれい)として振り返られることだろう』と言います。そして、米国の知人の話を紹介するのです。

『オバマ外交を占う上で示唆的な話を紹介したい。アジア外交担当として次期政権入りが確実視される米国の知人から聞いた話だ。

 民主党の大統領候補指名争いが続いていた昨年3月、オバマ陣営とヒラリー・クリントン(次期国務長官)陣営の外交スタッフ約40人が南部フロリダ州のホテルに招集された。いずれも政権発足時には外交を動かす政府高官候補たち。目的は、民主党政権誕生に備えて「外交政策の一本化」を図ることだった。

 数日間の合宿論議でテーマとなったのは中国、ロシア、インドへの外交政策だった。この3カ国に焦点が絞られたのは「国際秩序の行方に影響を及ぼす国々」だからで、日本は「中国政策を論議する文脈でしか語られなかった」という』

 特に中国は、潜在的な国力からして確実にアメリカと並ぶ「極」へと成長を続けていて、アメリカは重視せざるを得ないようです。日本は、軽視はされなくとも、後回しにされることになるのではないでしょうか?

 笠原記者は、ワシントン担当時代の日米関係の印象を率直に語ってくれています。

 いわく『昨春までワシントンで米外交を担当し、外国首脳らがホワイトハウスをひっきりなしに訪れるのを見ながら、こんな日米の相関図を思い描くようになった。

 アメリカは超モテ男で、世界中から熱い視線を集める。この血の気が多いモテ男の周りには、思わせぶりな美女からしつこいストーカータイプまで、手を焼く面々が多い。ガールフレンド(同盟国)も数多いが、日本はさしずめ、ひたすら尽くす献身的タイプだ。たまに耳元で「日本は大事」とささやいておけば、3歩下がってついてくる

 笑うなかれ。米国が昨年10月、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除した経緯を思い起こしてほしい。日本が「指定解除しないで」と懇願し続け、ブッシュ大統領も「拉致問題は忘れない」と繰り返していたのに、あっけなく指定は解除された。それでも日本は懲りもせず「日米関係の強化」を呪文のように唱え続けているのが現実ではないか』

 オバマ大統領はモテモテとなって、日本政府はジェラシーを募らせることになるのでしょうか? もうアメリカに依存するだけの日米関係では、バカにされるだけなのだと思います。日本政府は外交の多元化を図って、そのうえで日米関係を再構築しなければいけないのです。自立した外交ということだと思います。

 麻生首相は、こうした大胆な外交を推進するためにも、選挙をして国民の審判を受け、政権の正当性を確保する必要があります。政権の正当性を疑われては、相手国から馬鹿にされるだけでしょうから?

  笠原記者は最後に、『日本は第二次大戦後、日米同盟のお陰で世界第2の経済大国になり得た。しかし、その過剰な依存のせいで経済力を政治・外交力に転化できなかった。米国の一極構造が溶解し始める中で、日米同盟に依存した世界観で外交を続けるなら、日本の国際的な地位は劇的に低下するだろう』と警告していますが、その通りだと思います。

  毎日新聞 「記者の目:日本は「オバマ・ショック」に備えよ=笠原敏彦」の記事

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。