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APEC会議での麻生首相の満面の笑みにひと言 [時事問題]

 麻生首相が、金融サミットやアジア太平洋経済協力会議(APEC)など一連の外交日程を通じ、定額給付金などをめぐる内政の迷走を外交で挽回しようと懸命になっているようです。

 しかし、世界的な大不況になりそうだとささやかれ、国内経済が既に疲弊している現況下では、外交は二次的で、国内問題が最優先でなければなりません。外交は、国内問題の延長線上にあるべきものと思います。世界各国においても国内問題で手一杯の状態のはずです。外交で内閣の得点を稼ぐなどという発想は本末転倒なのだと思います。

 それで、民主党は、党首会談で第2次補正予算案が提出されれば協力すると申し出たのですが、麻生首相は、小沢代表の言うことは信用できないと先延ばししようとしています。これは国民の生活より政局を優先する姿勢であり、さきの「政局より緊急の景気対策だ」と解散を先送りした時の言動と、論理的に矛盾しています。言っていることとやっていることが違うのです。

 本来であれば、野党に頭をさげてでも法案を通そうとするのが政府の当然の務めのところ、野党のほうから法案を通しましょう言ってきているのに、信用できないから拒否するというのは、国益よりも党利党略優先以外の何ものでもありません。

 APEC会議の首脳が並んでの記念撮影での、麻生首相のはちきれんばかりの笑顔は、首相になって得意満面という姿を反映しているのではないでしょうか? 麻生首相には、国民の生活の先行きの厳しさなど実感できない、他人事であることを象徴しているように思えてなりません。



首相、「直球外交」も空回り 内政迷走で成果上がらず(朝日新聞)2008年11月25日

 「政局より政策」を理由に衆院の解散・総選挙を先送りした麻生首相が、金融サミットやアジア太平洋経済協力会議(APEC)など一連の外交日程を通じ、率直に主張をぶつける「直球外交」を展開している。しかし、結果は空回り気味。定額給付金などをめぐる内政の迷走を外交で挽回(ばんかい)するのは容易ではない。

 22日、ロシアのメドベージェフ大統領との初会談。首相は開口一番、領土問題を取り上げ、「国境線の問題も含め画定していないことが不安定な要素になっている」と前進を迫った。大統領は「このような率直な会談が好きだ」と応じたが、年内で合意していたプーチン首相の訪日は来年への先送りが決まった。

 22日の中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席との会談では、金融サミットで表明した国際通貨基金(IMF)への1千億ドル拠出に同調を促したものの、主席は「金融危機にともに努力していきたい」。金融サミット時に続き、具体的な参加表明は今回もなかった。電話会談で自ら呼びかけ、APEC前後で調整したオバマ米次期大統領との会談も「外交スタッフが固まっていないと断られた」(政府筋)。

 そもそも内政基盤が固まらない中、外交で具体的な成果を得るのは難しい。海上自衛隊によるインド洋での給油活動についても、延長法案が解散先送りで民主党の協力が得られず、12月以降に成立がずれ込んだ。ブッシュ米大統領との22日の会談では「1年延長する法案を国会で審議中。活動継続に向けて最大限努力したい」。初の日米首脳会談で実績をアピールできなかった。

 12月に入っても、日中韓首脳会談や東アジアサミットなど首脳外交が続く。ただ、与党からは「税制改正や予算編成など内政で難題を抱え、外交に精力を尽くす余裕があるのか」(幹部)と冷たい視線が向けられ始めている。(リマ=餌取稔也)

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