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空幕長「そんなの関係ねえ」高裁違憲判断で [ニュース]

 名古屋高裁(青山邦夫裁判長)は17日、自衛隊イラク派遣差し止めなどを求める集団訴訟の控訴審判決を下しました。高裁は判決の中で、航空自衛隊が首都バグダッドに多国籍軍を空輸していることについて「憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」との判断を示しました。ただ、結論は原告側の敗訴とした。

 朝日新聞によると、判決はまず、現在のイラク情勢について検討。「イラク国内での戦闘は、実質的には03年3月当初のイラク攻撃の延長で、多国籍軍対武装勢力の国際的な戦闘だ」と指摘した。特にバグダッドについて「まさに国際的な武力紛争の一環として行われている人を殺傷し物を破壊する行為が現に行われている地域」として、イラク復興支援特別措置法の「戦闘地域」に該当すると認定した。

 そのうえで、「現代戦において輸送等の補給活動も戦闘行為の重要な要素だ」と述べ、空自の活動のうち「少なくとも多国籍軍の武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸するものは、他国による武力行使と一体化した行動で、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と判断。「武力行使を禁じたイラク特措法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいる」とした。

 小泉元首相は、「どこが戦闘地域かなんて俺に聞かれてもわからない」、「自衛隊が行くところが非戦闘地域だ」などと詭弁を弄して、イラクへ自衛隊の派遣を強行してきましたが。名古屋高裁は、改めてこれは詭弁だと当たり前の判断を下したということだと思います。

 しかし、裸の王様の話ではないですが、権力側のデタラメな合憲論がまかり通っている状況で、違憲という判決を出すことは、王様は裸だと最初に言い出すのと同じように、勇気のいることに違いありません。判決を下した名古屋高裁の裁判官の方々には敬意を表したいと思います。

 この名古屋高裁の判決を受けて、防衛省の田母神俊雄航空幕僚長は18日の定例会見で、「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数は『そんなの関係ねえ』という状況だ」と発言しました。  これに対し、原告で「訴訟の会」の池住義憲代表らは19日「司法判断を愚弄(ぐろう)して判決の価値をおとしめようとするもので、許されない」とした抗議文を防衛省に送ったそうです。

 抗議文は「政府や防衛省の『本音』を端的に示したもので『憲法なんて関係ねえ』と発言したに等しい。三権分立を否定した発言の責任は厳しく問われなければならない」と指摘しています。

 先日、石破防衛大臣が、省内の連携の悪さを改善するのに、キャンディーズのハーモニーを見習えと発言していましたが、「そんなの関係ねえ」もその流れの中に在るのでしょうね。自衛隊に精神的退廃、幼稚化が起こっていなければよいがと心配になってしまいます。少なくとも憲法軽視の精神が底流にあるのではないでしょうか?

 防衛省は、何を守ろうとしているのでしょうか? 私が想像するに、防衛省は、憲法より日米安保条約(既に日米同盟に変質していると思われます)を守ろうとしているのではないでしょうか。こうした方向性は憲法を逸脱していることを、今回の名古屋高裁の違憲判決は合わせて指摘しているように思われます。


オッパッピー?空幕長「そんなの関係ねえ」高裁違憲判断で

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 防衛省の田母神俊雄航空幕僚長は18日の定例会見で、航空自衛隊のイラク空輸活動を違憲とした名古屋高裁判決が現地で活動する隊員に与える影響を問われ、「純真な隊員には心を傷つけられた人もいるかもしれないが、私が心境を代弁すれば大多数は『そんなの関係ねえ』という状況だ」と発言した。

 有名お笑いタレントの言葉を使い、司法判断をやゆしたと取られかねない発言に批判が出そうだ。

 判決自体については「非常に残念。与えられた任務をこなすのがわれわれ自衛隊の役割なので、今後も整斉と活動したい」と述べ、判決がイラクでの活動に影響しないことを強調した。

 判決でバグダッドが「戦闘地域」とされたことについては、「現地は日本のように安全ではないが、戦いに巻き込まれる危険はないと思っている」と話した。(iza)

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