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定額給付金は、2009年問題に充当すべきでは [社会問題]

 年越し派遣村(東京:日比谷公園)には、300人を超える人々が支援を求めて集まったと報道されています。4~5人用のビニール簡易テント、50張では足らなくなって、外でストーブにあたりながら夜を越す人もいたようです。

 派遣を12月に解雇されて派遣村に来た男性の「宿も食べ物もない人がこんなにいるのかと驚いた。何とか暖だけでも不自由なく取らせて欲しい」という声は、派遣村の状況をよく語っているように思います。

 麻生首相は、年末の対策はできているとして、第2次補正予算を先送りし、野党が提出した「雇用対策法案」を葬り去りました。このことは、麻生首相の思考範囲が国会対策レベルでしかなく、政治の根本である憲法第25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」の実現を真剣に考えるところまで及んでいるのか疑問を生じさせるのであります。

 昨日のNHK、7時のニュースでは、派遣労働に関する「2009年問題」を取り上げていました。「2009年問題」というのは(私も知りませんでしたが)、2004年の労働者派遣法の改正では1年の雇用期間の制限であったものが、2007年の改正で3年に延長されることになりました。2006年に偽装請負問題が表面化すると、期間3年の派遣にいっせいに切り替えるということがあったようです。そして、その派遣切れが2009年にやってくるのです。

 厚労省の数字でも、3月までに5万人を超す人たちが、派遣切れを迎えるといわれています。実際は、もっと大きな数字になるでしょう。2009年は、派遣労働者が大量に解雇される事態が想定されるのです。そうなると、政治が手をこまねいていられる限度を超えた問題となるはずです。大きな社会問題なのだと思います。

 そうであるならば、(地域振興券で、後に何も残らないことが実証済みである)定額給付金をやめて、その2兆円の一部を「2009年問題」の対策に充当すべきではないでしょうか。政治は、より効率のよい税金の使い道を考えるべきだと思います。

 これまで、ホームレスの人たちは、行政の対象とされませんでしたが、2009年は無視できない規模に膨れる可能性があります。今年の政治の最優先課題は、国民の命と生活を守ることになるかもしれません。世の中の変化はめまぐるしくて、共生社会への転換をしないとどうにもならないような社会情勢になるのではという感じもするのですが…。


厚労省、派遣村宿泊用に講堂開放 300人超集まり(東京新聞)

 派遣契約打ち切りなどで仕事や住居を失った労働者らのための“年越し派遣村”(東京・日比谷公園)に想定を超える300人以上が集まり、厚生労働省は2日、公園に近い庁舎内の講堂を宿泊用に開放した。公園のテントで寝泊まりしていたほとんどの人が同日夜、講堂に移動した。開放は5日午前9時まで。

 派遣村の実行委員会によると、大みそかの開設時に130人ほどだった要支援者は日ごとに増え、2日に300人を超過。ほとんどの人は宿泊場所がなく、実行委が厚労省に対応を要請した。

 これまで、夜は公園内で4、5人用のテント約50張りを提供していたが、体調を崩して救急車で運ばれる人もおり、医療経験のあるボランティアが足りないという。

 宿泊場所については、厚労省のほかに東京都中央区も現在は使っていない施設を開放する。

 昨年11月に都内の運送会社を解雇されたという男性(47)は「友人宅やネットカフェを転々としてきたが、疲労がもう限界だ。社会に怒る力もなくなってしまった」と、炊き出しの食事を取りながら力なく話した。

 派遣村では約510人のボランティアが炊き出しや宿泊場所の紹介、相談を実施している。5日朝まで。問い合わせは実行委、電話090(3499)5244。 

   製造業が直面する「2009年問題」の深刻度
タグ:派遣労働
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