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イラク空自の活動実態、米軍のタクシーだった [ニュース]

 イラクにおける航空自衛隊のこれまでの活動実態を東京新聞が伝えています。今まで活動の詳細について伝えられることが少なかったように思いますので、貴重な記事であるように思います。

 東京新聞、「イラク空自が米軍要請で定期便」の記事によると、陸上自衛隊がイラクから撤収した2006年7月末以降、空自はクウェートを起点に週4、5回、「アリ便」「バグダッド便」「バグダッド経由アルビル便」の3ルートで定期的な運航を実施した。

 そして、新たに、首都バグダッドと南部アリ(旧タリル)とを結ぶC130輸送機の「定期便」を新たにつくり、今年に入って週1回運航していたことが分かった。空自幹部は「バグダッドへの飛行を始めたころからも不定期でアリ-バグダッド間を運航したこともあったが、(07年からの)米軍増派で常態化した」と明かす。

 両地点ともイラク駐留米軍の拠点で、隊員は「多くの武装米兵を運んだ」と証言。空自機は米軍の指揮下で、兵員輸送の一角を担っていた実態があらためて浮き彫りになった。

 アルビル以外の便は「すべて多国籍軍向け」(自衛隊幹部)で、空自機は米軍から「タクシー」と呼ばれていた。隊員は「空自機は米軍のいいように使われ、コマにすぎなかった」と指摘している。

 空自は04年3月からイラクへの空輸を始めた。821回飛行し、延べ4万6500人と物資673トンを運んだ。輸送人員のうち国連職員は約2800人で、陸自隊員を差し引けば3万人を超える米兵を空輸したとみられる。
(以上東京新聞より)

 この東京新聞の記事を読むと、日本の自衛隊は、米軍の指揮下に組み込まれて、米軍の手足。コマとなって兵站の移送をさせられていたことがわかります。しかも、米軍からは、「タクシー」とまで呼ばれていたのです。「タクシー」とは屈辱的な言い回しです。自衛隊を見下していなくては出てこない言葉ではないでしょうか?

 この移送は、空自が米軍の戦闘行為に加担していたこと示していて、名古屋高裁が、憲法違反であるという判断を下しています。小泉元首相は、「自衛隊のいるところが非戦闘地域だ」などとうまいこといって、ブッシュ大統領と密談して、自衛隊を憲法違反の米軍の傭兵化することを暗黙に了解していたことを、この記事は明らかにしているように思います。

 小泉元首相は、imaginationですが、瓢箪(ひょうたん)から駒で、首相になってしまったのだと思います。何の準備もなかったことでしょう。それで、安直に、ブッシュ大統領の虎の威を借りたのです(魂を売り渡すことによって)。そうでなければ、自衛隊を憲法違反の米軍の傭兵化するなど考えられないことです。

 小泉元首相は、ブッシュ大統領の意向にそうために、憲法をねじ曲げ、自衛隊の傭兵化を進める一方、「自衛隊のいるところが非戦闘地域だ」などと詭弁を労して、憲法9条の枠内であるという見解(これでは、ダブルスタンダードです)をとったので、自衛隊の制服組はがんじがらめの状態になってしまったのです。田母神氏は、自衛隊の現状を打開するためにあのような発言をしたのではないでしょうか? もしそうであれば、憲法9条に対する見解は違っても、自衛隊の尊厳を取り戻そうとした心情は理解できるのです。

 このイラク空自の活動実態を明らかにした記事を読んで、小泉政治の売国的性格を改めて感じさせられたのでした。

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 東京新聞 「イラク空自が米軍要請で定期便」の記事

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